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2021年08月23日05:43

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戦後と高度成長の間

昨日アマゾンで観た映画。公開年順。( )内は監督名。3作とも「芦川いづみ」で検索。

1『青春怪談』日活版、1955年(市川崑)
2『硫黄島』1959年(宇野重吉)
3『いのちの朝』1961年(阿部豊)

他もそうなのに、特に1だけ「日活版」としたのは、同時公開の東宝版があるから。獅子文六が読売新聞に連載した原作を日活と東宝が取り合い、何と同じタイトルで別々に映画を撮り、同日公開したという。観たのは芦川いづみが出ている日活版だが、彼女は脇役。「青春」とはいうものの、若い男女(北原三枝と三橋達也)よりも、それぞれのやもめの両親(山村聰と轟夕紀子)の方がむしろ主軸となる。(山村聰が発する特定のフレーズだけ関西アクセントなので気になり、検索したら、やはり奈良県出身と判明)

2『硫黄島』でも芦川は脇役。太平洋戦争の硫黄島玉砕戦の生き残り帰還兵(大坂志郎)が、硫黄島での敗残兵としての過酷な日々のトラウマから逃れられない。彼と対照的なのは、戦争で死んだ仲間の兵士たちと、彼ほどくよくよせず戦中、戦後の日々をふてぶてしく生き抜いている戦友。ーー戦後14年経っても癒されない戦争の傷に、宇野重吉は映画監督として焦点を当てた。

3『いのちの朝』に戦争は出てこない。才能はあるが世渡りの下手な売れない老画家(宇野重吉)とその娘(芦川いづみ)が新たな境地を迎える。
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