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2021年03月31日14:40

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book『”スカノミクス”に蝕まれる日本経済』(浜矩子)

浜矩子著『”スカノミクス”に蝕まれる日本経済』(青春新書)を読んだ。菅総理大臣が選出された時、新聞で浜さんが、菅首相の経済政策を”スカノミクス”と評されていたのを見て、「うまいネーミング」だなと感心した。その”スカノミクス”批判を全面展開した本だ。スカノミクスの根底には、「統治意識が強すぎること」と「権力掌握の自己目的化」がある。統治を絶対化し、その基盤を揺るぎ無きものにできるかが菅首相の関心の中心だ。それを徹底追求したのがマキャベリだったが、管首相は著書の中で「マキャベリの言葉を胸に歩んていくと」と書いている。この本はそのマキャベリズムから来る”スカノミクス”の構造を徹底的に解析する。その出発点は「自助・共助・公助」で、それはまず「自分で努力しろ」であり、それで駄目な場合は「自治体が助ける共助」となり、最後が国が出番の「公助」となり、できる限りそれは避けたい、というのがその本音だ。そのような施策の分析の中で、浜さんは”スカノミクス”は「弱者切り捨て」が本質だと喝破する。この本を読むと、菅政権登場以降かしましく言われている「デジタル立国」、マイナンバーカードの普及加速、マイナンバーカードと保険証の一体化推進等の本質がよく見えてくる。浜さんは最後に真の共助・共生の経済政策を対置される。実にタイムリーな本だ。
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