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日記一覧

グスターボ・アドルフォ・ベッケル著(山田真史訳)『ベッケル詩集』(彩流社)を読んだ。私が詩集を読むとはめずらしいことなのだが(高校生時分は別として)、先にベッケルの『スペイン伝説集』(彩流社)を読んで、現代スペイン、ラテン・アメリカ文学と詩

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「ジョーカー」(トッド・フィリップス)を見た。「バットマン」シリーズの悪役として知られるジョーカーの誕生秘話で、「息を飲む映画」とはこの映画のことをいうのだろう。コメディアンを夢見るアーサー(ホアキン・フェニックス)が「ジョーカー」に変身す

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田島奈都子編著『プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争/135枚が映し出す真実』(勉誠出版)を読んだ。戦争中に国および国の関連機関が発行したプロパガンダ・ポスターが長野県の旧阿智村の村長の手によって保存されてきた。その数135枚になり、それ

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「編集作業を進めていた折り、本書の企画の立ち上げから深い関わりを持ち続け、論文の寄稿に加えて、リーガー氏の論文翻訳を担当された松岡信哉氏が急逝された。松岡氏はSES-Jの学会誌『エコクリティシズム・レビュー』の編集長を務め、本学会の主軸として推

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伊藤詔子他編著『トランスパシフィック・エコクリティシズム/物語る海、響き合う言葉』(彩流社)を今読んでいる。実はこの5月に亡くなった息子が関わった研究会「エコクリティシズム研究会」が9月に刊行した本で、息子の連れ合いに彼が書いたものを持って

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半藤利一著『歴史と戦争』(幻冬舎新書)を読んだ。この本は先に読んだ澤地久枝著『昭和とわたし/澤地久枝のこころの旅』(文春新書)と同様に編集者(石田陽子)が著者の全著書を読み、その要点をアンソロジーにしたものだ。半藤さんは近現代史とくに戦争史

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エドゥアール・グリッサン著(小野正嗣訳)『多様なるものの詩学序説』(以文社、2007年6月)を読んだ。この本はずいぶん昔に買っていたものだが、なぜ取り出して読んだかというと、最近同著者の小説『第4世紀』(インスクリプト)が管啓次郎さん(僕は

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グスターボ・アドルフォ・ベッケル著(山田真史訳)『スペイン伝説集』(彩流社)を読んだ。グスターボ・アドルフォ・ベッケル(1836年〜1870年)はスペインの詩人、作家でセルバンテスと並ぶスペイン近代文学(モデルニズモ)の代表的作家。私が習っ

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澤地久枝著『昭和とわたし/澤地久枝のこころの旅』(文春新書)を読んだ。たまたま本屋で手にした澤地久枝さんの本だ。ただし澤地さんの新刊本ではなく、彼女の全仕事から抽出した短い文章をセレクトして、編集者(石田陽子)が「私の満州」「棄民となった日

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「記憶にございません!」(三谷幸喜)を見た。私は三谷幸喜が好きで、三谷幸喜の映画はほぼ全部見ている。最近は行っていないが、芝居も見に行っていた。三谷の最新作だ。冒頭に「架空の国の話」とあるが、「日本」の政治風刺のコメディであることは明らかだ

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高崎宗司著『植民地朝鮮の日本人』(岩波新書、2002年6月)を読んだ。たまたま先週、スペイン語講座に行っているアジア図書館で見つけて借りた。この本を手に取り、読んでみようと思ったのは、田中伸尚さんの『ドキュメント昭和天皇』(全8巻)の中で植

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「帰れない二人」(ジャ・ジャンクー)を見た。現在の中国映画で私が贔屓なのジャ・ジャンクー。中国「第五世代」監督の陳 凱歌は映画を作らなくなったし、耽美的作風が好きだった張芸謀は北京オリンピック開会式・閉会式で総監督をした以降、体制的になった

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黒岩比佐子著『日露戦争 勝利のあとの誤算』(文春新書)を読んだ。この本をなぜ読んだかというと、先に同著者の名著『パンとペン/社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』(講談社)を読んだからだ。この本は日露戦争後のポーッマス講和条約反対した日比谷

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田中伸尚著『ドキュメント昭和天皇 第7巻・延命』(緑風出版)を読んだ。この巻はタイトルに「延命」とあるように、米軍(マッカーサー)の占領下、天皇と木戸内大臣ら宮中グループは天皇制護持のため天皇制延命の工作を図る。この中で非常に興味を持ったの

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「ダンスウィズミー」(矢口史靖)を見た。矢口監督には「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「WOOD JOB! 」等の作品があり、抱腹絶倒でいずれも音楽性が高い。今回の作品は催眠術師に催眠術をかけられ、音楽を聞くと踊り出すというお話。ミュージカ

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読みついできた田中伸尚著『ドキュメント昭和天皇 第6巻・占領』(緑風出版)を読んだ。いよいよ米軍による占領だ。8月15日の敗戦以降、天皇裕仁と宮中グループの「国体護持(天皇制護持)」を米国との間にどう取りつけていくかの暗躍が始まる。その詳細

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クエンティン・タランティーノの新作「ワンス・アポン・ア・タイム・ハリウッド」を見た。「昔、昔・・ハリウッドで」という語り口で、タランティーノの映画体験の原郷を語り出す映画だ。誰かが(確か井筒和幸監督)アルフォンソ・キュアロンの「ローマ」(監

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村井吉敬著『インドネシア・スンダ世界に暮らす』(村井吉敬)を私のはじめての単著作成の合間に読んだ。この本を読んでみたくなったのは、内海愛子の朝鮮人BC級戦犯問題の本『赤道化の朝鮮人叛乱』が村井と共著であったことからだった。村井・鶴見良行編の

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パソコンの故障中に「チャイルド・プレー」(ラース・クレーバーグ)を見た。シリーズ8作目で、若手の監督の作品だ。AI時代を表徴していて、また展開が論理的でおもしろかった。人形(チャッキー)がなんだかかわいそうだった。

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不注意でパソコンを故障させ、さらのパソコンに買いかえ、1週間ぶりに復活した。この間に読んだ本は2冊だ。浜紀子著『小さき者の幸せが守られる経済へ』(新日本出版社)と田中伸尚著『ドキュメント昭和天皇 第5巻・敗戦(下)』(緑風出版)だ。前者は浜さ

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内海愛子・村井吉敬著『赤道下の朝鮮人叛乱』(勁草書房)を読んだ。先に読んだ内海愛子著『朝鮮BC級戦犯の記録』(岩波現代文庫)の前に書かれた本だ。朝鮮人だBC級戦犯の問題とともに戦中のインドネシアにおいて、俘虜収容所の監視員だった朝鮮人が高麗

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内海愛子・村井吉敬著『赤道下の朝鮮人叛乱』(勁草書房)を読んだ。先に読んだ内海愛子著『朝鮮BC級戦犯の記録』(岩波現代文庫)の前に書かれた本だ。朝鮮人だBC級戦犯の問題とともに戦中のインドネシアにおいて、俘虜収容所の監視員だった朝鮮人が高麗

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内海愛子著『朝鮮人BC級戦犯の記録』(岩波現代文庫)を読んだ。いずれ読もうと思っていた手持ちの本だ。この前、大沼保昭・内海愛子・田中宏・加藤陽子著『戦争責任/アジアンのまなざしに応えて』(岩波書店)を読んだので、この本を読むのにエンジンがか

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斉藤利彦著『「誉れの子」と戦争/愛国プロパガンダと子どもたち』(中央公論新社)を読んだ。戦前の戦没者遺児靖国神社集団参拝が恩賜財団軍人援護会と国家によって、そして天皇制と強く結合して行われていたことを徹底的な調査と当時の体験者よりの聞き取り

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中村文則著『私の消滅』(文藝春秋)を読んだ。中村文則の小説で最初に読んだものだ。宮崎勤元死刑囚の分析を元にした小説で、この事件が起こった当時いくつもの評論、宮崎の手記等を読んだことがあるので、興味があった。「飼っていた小鳥の生命を奪い、埋め

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「天気の子」(深海誠)を見た。前作「君の名は」に続くアニメだ。日本の習俗である「雨乞い」と真逆の「天気を乞う」物語で、現在の異常気象(豪雨)を象徴するなかなかおもしろいアニメだった。水に浸された日本の感触がよく現れていて、「すごい」画像だな

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中村文則著『自由思考』(河出書房新社)を読んだ。小説家中村文則の初エッセイ集である。私が中村文則に興味お持ったのは、私のやっている講演会で白井聡さんを講師でお呼びした関係で、白井聡と中村文則の雑誌「すばる」対談を読み、おもしろかったからだ。

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大沼保昭・内海愛子・田中宏/加藤陽子著『戦争責任/アジアンのまなざしに応えて』(岩波書店、2014年6月刊)を読んだ。2年前に近所の古本屋で買った本だ。大沼保昭・内海愛子・田中宏の3人の研究者が、1960年代以降,被害当事者たちの声に応えて

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やっと「新聞記者」(藤井道人)を見た。腰痛のため外出ができなくなり、20日ぶりの映画だった。明日から雨に振り込められるとの天気予報だので、思い切ってJR側のイオンまで自転車で走る。これが20分ほどかかるので、まず不安だったが、問題なく行けた

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黒岩比佐子著『パンとペン/社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』(講談社、講談社文庫に入っている)を読んだ。実はこの本を9年前に買って、「序章」だけ読んで、いつかは続きを読もうと思いながら積読していた。田中伸尚著『大逆事件』以降の大逆事件3

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