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2015年08月31日06:21

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丸山真男vs吉本隆明 2

『丸山真男と吉本隆明―回想風思想論―』:
著者の柳澤勝夫氏は1942年生まれの元高校教師。本屋の棚でこの本を見るまで知らなかった。

この本のうち、タイトルに採られた巻頭から170頁余の思想論を読み、両者への批判も含めて納得するところが多かった(学者や評論家による書評や批判・コメントなどは一つも読んでないが)。

この論の構成は年代別に3つに分けられる。主に年代順に両者の主要著作に触れながら、両者の思想の内在的批判や著者自身の考察・信念から、この戦後日本における2人の巨人の思想を振り返り、その意味を探る。

線を引き、印を付け、それらを再読しつつ付箋を貼った箇所が何十箇所もできた。今からそれらを引用、要約、コメントしていけば何時間もかかりそうだが、以下に最初のほうだけでも少し抜き出してみる。

・このように、丸山真男の日本思想史研究のモチーフと彼の思想的心情には、思想の自己展開(封建体制の自壊)という弁証法を読むことと、支配としての「作為」に対抗する「作為」の主体的契機への強い願望が存在したと見ることができる。このゆえに、丸山真男を単なる研究者ではなく、一人の思想者と見なしうるのである。また彼の政治思想史研究に政治学(制度学・支配学)とは異なる面を認めうるのである。
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