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2015年08月29日19:25

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幻の豪華SF映画をついに見た 『それは外宇宙からやって来た』

1950〜60年代のB級C級SF映画を次々とリリースしているラン・コーポレーションより、ついに『それは外宇宙からやって来た』が出ました。ラインナップに出た瞬間に即予約し、このたびDVDが届いたので見ることができました。

何が豪華って、原作レイ・ブラッドベリ(「趣味の問題」)、音楽ヘンリー・マンシーニという点です。

ブラッドベリ原作の同時期のSFには、傑作『原子怪獣現る』があり、レイ・ハリーハウゼンの怪獣特撮が有名なあの映画に対して、こちらは日本未公開。今回のDVDはまさに待望でした。

1953年のアメリカ映画。
大手ユニヴァーサル映画の作品だけあり、画質はとんでもなく美麗です。


【物語】
アリゾナ州の砂漠で恋人エレン(バーバラ・ラッシュ)と星を見ていたジョン(リチャード・カールソン)は、隕石の落下を目撃。さっそく現場に駆けつけると、それは隕石ではなく、異星人の宇宙船であった。
街の人びとはジョンの話を信じないが、間もなく、街の何人かが人格が入れ代ったようになる異変が起き始める。


…1953年といえば、大傑作『宇宙戦争』に代表される侵略SFが全盛期。そんな中にあり、この映画は侵略モノと見せかけて、実はテーマが異なります。とはいえ異文化の衝突などという大それたものではなく、「故障して墜落した宇宙船を、異星人が地球人をさらって修理させる」というセコいもの。そもそも高度な文明を持つ宇宙人の宇宙船を、地球のホームセンターの部品などで直せるのか?という疑問が生まれるのであります。

しかし監督のジャック・アーノルドは、あくまで異文化の衝突による危機と、誰にも異星人との遭遇を信じてもらえない主人公という2点に絞り、手堅くまとめております。この監督には『モノリスの怪物』『大アマゾンの半魚人』『縮みゆく人間』(今秋ソフト化!)などの傑作があり、異色コメディ『ピーター・セラーズのマ・ウ・ス』も撮れる才人。

一つ目でグロテスクな異星人の造形も素晴らしく、見せ方もうまいので、日本未公開なのが勿体ないところです。

面白いのはこの映画、3D映画として製作・公開されているのが、今回の国内盤DVDでは2Dで収録されている点。DVDのジャケットには涙ぐましい修正の跡が見られます。

いきなり廉価でこんな掘り出し物を出してくれるラン・コーポレーションにいつも感謝。



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