mixiユーザー(id:6337596)

2024年04月29日17:13

21 view

31年ぶりのビクトル・エリセ 『瞳をとじて』

非常に寡作で知られるスペインの奇才監督、ビクトル・エリセの31年ぶりの最新作『瞳をとじて』を見て来ました。

2時間49分の大作ですが、すーっと入ってくるような、不思議な映画です。
映画へのレクイエムのようなものも感じられます。

【物語】
2012年。もと映画監督で今は作家のミゲル(マノロ・ソロ)は、かつての人気俳優フリオ(ホセ・コロナド)に関するインタビューを受けた。フリオは20年前の映画撮影中に失踪しており、映画は未完のままであった。
撮影途中のままだった映画のフイルムを見たり、昔の映画仲間を訪れて過去と向き合うミゲルのもとに、フリオ発見の知らせが届く。

…劇中の映画のシーンはフイルムで(16ミリ?)、現在(2012年)はデジタルで、と分けられている撮影技法が効果的。フイルム撮影の生々しさが際立ち、強く記憶に残ります。消えゆく映画フイルムに言及するシーンもあって、ビクトル・エリセの遺言のようにも感じました。

映画の結末をどう捉えるかは観客に委ねられています。
滅びゆく映画文化への鎮魂歌のようでもあり、映画に生きた2人の男の再生の物語のようでもあります。

★★★★。映画を見るすべての人に問いかけてくるような映画です。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年04月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930