日本の山田太一の原作を、イギリスで再映画化した『異人たち』を見て来ました。
原作が海外でも翻訳され、広く読まれているとは知りませんでした(NHKのニュースで見た)。
【物語】
ロンドン。
脚本家のアダム(アンドリュー・スコット)は、同じマンションの住人である青年ハリー(ポール・メスカル)に声をかけられ、一緒に飲もうと誘われるが、やんわりと断る。数日後、かつて住んでいた実家を訪れたアダムは、事故で死んだはずの両親が実家に住んでおり、不思議な再会を果たす。両親はアダムを暖かく受け入れる。
…最初の映画化(大林宣彦版)は、TVで見たような気がしますが記憶になし。
そもそも舞台を現代のロンドンに置き換え、かなり大胆に脚色しているようなので、別物だったように思います。
過度なVFXも奇抜なメイクもなく、演者の演技と演出だけでファンタジーを描いた点を高く評価したいです。主演のアンドリュー・スコットは、「シャーロック」や『007/スペクター』の小悪党の印象が強かったので、繊細な演技に驚きました。相手役のポール・メスカルも良かった。
監督もアンドリュー・スコットもゲイであるためか、作品ではその要素が非常に重要な役割を果たします。自分は違和感なく見られました。
見る人の両親が健在であるか、故人であるかによって作品の印象もだいぶ変わるような気がしますが、家族の普遍的な愛情は国境を越えても変わらないものであるという点だけは、確かなようです。1年近く実家に帰省していない身としては、染み入るものもありました。
★★★。
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