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2023年07月12日01:12

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古着、既製服と玉音放送

最近読了した本:

1 朝岡康二、ものと人間の文化史114『古着(ふるぎ)』(法政大学出版局、2003年9月15日初版第1刷発行)
2 ジェシカ・デーヴス著、坂隆博訳『アメリカ婦人既製服の奇跡』(1969年10月31日初版発行)
3 坂本慎一『ラジオの戦争責任』(法蔵館文庫、2022年7月15日初版第一刷発行。単行本は2008年刊)

人類は有史以来、その大部分において古着を着てきた。新品の既製服を買って、数年で処分するようなライフスタイルがありふれたものになったのは、日本では1960年代の高度成長期以降である。1は、民俗学者である著者が、その古着の諸相を多面的に追い、検討している。

2は翻訳書なのに、原著の題名や著者名の英語の綴り、版元の出版社の名もないので、カタカナから見当を付けで英語のWikipediaを見ると載っていた。著者Jessica Davesは、1933年に高級ファッション誌・米国版VOGUE(ヴォーグ)の編集者となり、1952年から1962年まで編集長を務めて退任した。既製服を含むアメリカ服飾産業の発展、興隆の証人の一人だろう。ちなみに、書かれたのが1960年代であり、黒人は全く登場しない。

3の5人の主要人物のうち3人は、初期のラジオ放送にしばしば登場して、多くの国民に影響を与えたた仏教思想啓蒙たち。そして現パナソニックの創業者・松下幸之助と、終戦時の情報局総裁・国務大臣だった下村宏。下村は元々は対米英戦争に反対だったが、戦時中に入閣し、昭和天皇による玉音放送の仕掛け人となり実現させ、日本国民に敗戦という現実を思い知らせたが、その功績はほとんど知られていない。
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