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2022年10月22日13:28

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「マチウ書試論」再読

Facebookの吉本隆明コミュでMさんから発議のあった「マチウ書試論」をほぼ半世紀ぶりに再読した。Mさんの言われる「関係の絶対性」という言葉は、吉本ファンの間でブームになったようだ。僕の身近で叛旗派の活動家になった人もその一人。ただこの箇所は、最後の最後に取って付けたような唐突さでしか現れないのに、読者の印象を支配してしまった感がある。

改めて読むと、全編の99%で吉本はマチウ(マタイ福音書の著者)の思想の観念的倒錯性や、思想的マゾヒズムに呆れて、くさしている。ただそこを評価もしていて、少し一般化すると、現実とは逆立する観念・思想の存在意義や価値を体現している点を見ている。権力も武力も腕力も金も(ユダヤ教での)宗教的権威も、全て持っていない弱者にも、いや弱者にこそ存在意義がある、と。弱者が拠って立つのは「観念の世界」、ここで神を信じること。

――ただそうすると、信仰は現実的社会的弱者の唯一の「逃げ道」になってしまう。そこをマルクスは「阿片」と呼んだ
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