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2021年06月06日14:22

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死者が死者を悼む(2) 甘粕正彦

(残念ながら、PCトラブルで書きかけのデータが消失したが)

角田房子氏が甘粕正彦に興味を抱いたきっかけが1972年暮で、文庫版『甘粕大尉』が最初に単行本で上梓されたのは1975年。角田氏は、甘粕を「悼む」とはどこにも書いていない。ただ、心がけたのは、無政府主義者・大杉栄らを憲兵隊大尉として殺害した甘粕を「"忠君愛国"を日本人の至上の目標として教えこまれた時代の、まっ正直な日本人の典型」として追跡することだったという。戦後民主主義の価値観・世界観が当たり前の人間がそれなしでものを見るのは不可能に近いが、1914年生まれの角田氏は、敗戦までに生きた人生の最初の31年間の経験を参照しながら書き進めたのだろう。

その角田氏も2010年元旦に亡くなって10年余りが経っている。
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