カレーほど懐の深い偉大な料理は少ないのではないか。
かつて40年以上前、自炊を始めたころは、カレーでさえ料理の本を見ながら作った。
ただ経験から学んだことは、まず「それだけで十分に美味い野菜スープを作り、その中にカレールーを割って入れれば美味いカレーが完成する」ということだった。
さて今、わざわざ手間をかけて美味いカレーを作りたいとも思わないが、ありあわせの食材とカレールーでカレーを作り、毎朝、毎晩、追加の食材、水、SBのカレー粉、ガラムマサラ、各種香辛料、調味料などを継ぎ足しては煮込んでいく。
すると、当初は違和感のある食材でも、ほとんどどんな食材でも、時間をかけて煮込みさえすれば、元のカレーに融和して馴染み、また新たなカレーに更新されていく。
カレーのこの偉大なる融和・融合と自己革新は、聖なるガンジス河と軌を一にしている気がする。
あらゆる誕生と死、聖なるものと卑なるもの、清浄と汚穢を受け入れながら流れ続けるという点で。(こじつけすぎか?)
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