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2016年02月14日15:03

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信仰・国家・社会

フランス現代思想(翻訳でミシェル・フーコーやロラン・バルトなど)を読んでいた頃から何十年も経ち、エマニュエル・トッドのことも知らなかったが、2月11日の朝日新聞にインタビュー記事が大きく割かれていた。

記事の略歴によると、同氏は「1951年生まれ。家族制度や識字率、出生率に基づき現代の政治や社会を人類学的に分析、ソ連崩壊などを予言してきた」。ウィキってみると、視野は世界各地のデータに基づいてグローバルな人類史をカバーしている。やはりと言いたくなるが、ルーツはユダヤ系。インタビュー記事から引いてみると――。

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――欧州でも中東と同じように信仰の衰退と、それにともなう社会の分断という流れが背景になるのでしょうか。
「そうです。今後30年で地球に何が起きるか予測したければ、近代を切り開いてきた欧米や日本について考えなければ。本物の危機はそこにこそあります。歴史家、人類学者として、まず頭に浮かぶのは信仰システムの崩壊です」
「宗教的信仰だけではない。もっと広い意味で、イデオロギー、あるいは未来への夢も含みます。人々がみんなで信じていて、各人に意味を与える。そんな展望が社会になくなったのです」
「そのあげく先進国で支配的になったのは、経済的合理性。利益率でものを考えるような世界です」
――それが信仰の代わりに?
「信仰としては最後のものでしょう。それ自体すでに反共同体的な信仰ですが。経済は手段の合理性をもたらしても、何がよい生き方かを定義しません」
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1968年5月には街頭に出て石を投げた1人。「自分の国の国旗を引き裂くことだってできる、寛容なフランスを再び見ることはないだろう」と自国の現状に失望しながらも、歴史家、人類学者としての意欲は旺盛。「グローバル化で人類は、産業革命よりも重要で新石器時代に匹敵するくらいの転換期を迎えているのかもしれない」と考えている。

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