NHK『ためしてガッテン』を見ていて、司会の立川志の輔の師匠で数年前に死んだ、立川談志の気になっていた言葉を思い出した。
「志の輔は『ためしてガッテン』をやっているうちはダメだ」
何となく、談志の言っていることがわかった気がした。
NHKのゴールデンタイムの司会なんかをやっているうちはダメだ、と。
つまり、「日本人のマジョリティに受けるような話芸はつまらない」と。
談志自身、いまも半世紀近く続く、驚異的長寿番組『笑点』を企画し、立ち上げた人。私見では、談志が去った翌週から、今もレギュラーの林家木久蔵(現・木久扇)がレギュラーになったことは、談志の笑い・しゃべりの先鋭性から、お茶の間の老人と子供向けに「笑点」が変質したことを象徴する事件だった。
ビートたけしによれば、談志は「鬼才」である。そんな談志から見たら、「国民のマジョリティに受けるなんてツマラナイ」。「もっと尖んがらないとダメだ」ということだろう。
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