ヴィム・ヴェンダース監督の1984年作『パリ、テキサス』が「午前十時の映画祭」のラインナップに入り、しかも近所の映画館にかかったので、見て来ました。
「むかしNHKで見ているような気がするけれど覚えていない」1本。
ヴェンダースは、『PERFECT DAYS』も記憶に新しい監督です。
1984年。西ドイツ=フランス合作。35ミリフイルムから4Kスキャンし、2Kで修復したバージョンです。
【物語】
テキサスの砂漠をひとりの男(ハリー・ディーン・スタントン)が歩いたが、行き倒れてしまう。
街の診療所で救われた男は、トラヴィスといい、知らせを聞いた弟(ディーン・ストックウェル)が迎えにやってくる。
弟の家で育てられていた小学生の息子(ハンター・カーソン)と久しぶりに再会を果たしたトラヴィスは、ヒューストンにいるという別れた妻(ナスターシャ・キンスキー)を探す旅に出る。
…ヴェンダースの映画の中でも傑作に推す人の多い作品。
夕暮れが美しい撮影、ライ・クーダーの情感あふれる音楽が郷愁を誘います。
ハリー・ディーン・スタントンなくしては出来なかった映画でもあります。
何を考えているか分からない男だったのが、息子や妻への愛を募らせていく一途な姿に心打たれます。そしてナスターシャ・キンスキーの美しさと言ったら!
舞台はアメリカなのに、西ドイツとフランスの合作映画だからか、どこかアメリカ映画らしくない情景も印象的でした。
★★★。
ログインしてコメントを確認・投稿する