ロジャー・コーマン亡くなる

B級映画の帝王、ロジャー・コーマン監督が亡くなりました。98歳でした。
お年とは知っていたので、いつかは来る日だったのですが、敬愛する監督です。
堪えるものがあります。

多作な人なので、作品も膨大ですが、ここで個人的ベスト５を。
やはりエドガー・アラン・ポォ原作の作品群が大好きです。

１．『アッシャー家の惨劇』(1960)
　それまで白黒スタンダードばかり撮っていたのを、極彩色の総天然色＆シネマスコープのワイドスクリーンで描いた傑作！

２・『黒猫の棲む館』(1964)
　一連のポォ作品群の中でも珍しく、英国で撮影された異色作。
セットの素晴らしさよ。

３．『忍者と悪女』(1963)
　怪奇映画スター共演による、ハリー・ポッターもびっくりの楽しい魔法合戦映画です。
ポォの原作詩編「大鴉」のムードは皆無！

４．『恐怖の振り子』(1961)
　ホラー・クィーン、バーバラ・スティールの主演で他と毛色が違うのが◎！

５．『金星人地球を征服』(1956)
　ご存知金星ガニです。今みると、リー・ヴァン・クリーフとピーター・グレイヴス共演というのも凄い。金星ガニのデザインが大好きです。

プロデューサーとしては、宮崎駿『風の谷のナウシカ』をズタズタにカットして全米公開した一方で、黒澤明『デルス・ウザーラ』に感動し、北米公開に持ちこんだ功労者でもありました。

ポォ原作の監督作としては、『怪談呪いの霊魂』『赤死病の仮面』『姦婦の生き埋葬』など、どれも傑作揃い。自分をゴシックホラー好きの世界に引き込んだ張本人、ロジャー・コーマン先生に合掌です。

（画像はうちのDVDライブラリより…ジャケットも最高）