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2021年08月06日22:36

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志村けんで見たかった 『キネマの神様』

山田洋次監督の最新作『キネマの神様』を見て来ました。

主演予定だった志村けんが急逝したため、沢田研二に交代して完成された映画です。
松竹映画の100年記念作品でもあり、清水宏や小津安二郎へのオマージュにあふれた作品です。

【物語】
酒とギャンブルが大好きで、そのために家族に疎まれているゴウ(沢田研二)。
ある日、借金が家族にバレたため家を飛び出したゴウは、旧友のテラシン(小林稔侍)の経営する映画館へ逃げ込む。そこで古い映画を見たゴウは、かつて映画黄金期に松竹の助監督だった若き日の自分(菅田将暉)を回想する。

…この映画の脚本が、志村けんのために書かれたものであることは、開巻すぐに分かります。酒とバクチに溺れる哀しい男といえば、志村けんはまさに適役。彼にとっても集大成となるはずでした。代役をつとめた沢田研二も熱演なのですが、志村けんとは本質的に違います。主役を代えてまで撮るべき映画ではなかったと、途中までは思って見ていました。

しかし、コロナ禍に苦しむ映画館の経営問題が物語の中盤に登場すると、老監督の描きたかったものが見えてくる気がしました。コロナ禍というものに向き合った、初めての日本映画なのではないでしょうか。

山田洋次版『ニューシネマ・パラダイス』的傾向の強い映画ですが、清水宏や小津安二郎といった有名監督ばかりにスポットが当てられている不満もありました(松竹には野村芳太郎もいるのに…)。でもまあ、この2人の監督に絞ったのは分かりやすくはあります。

清水宏 → 劇中ではリリー・フランキー演じる出水宏監督、オリジナルとはまったく似ていない(意図的に似せていない?)のが面白いです。

★★★。劇中登場する東村山音頭には泣けます。
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