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2021年02月01日14:41

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book『戦後日本、記憶の力学/「継承という断絶」と無難さの政治学』(福間良明)田マハ)

福間良明著『戦後日本、記憶の力学/「継承という断絶」と無難さの政治学』(作品社)を読んだ。福間良明さんの本はその多くを読んできたが、この本は私の関心と重なり、大変興味深かった。現代社会の戦争に関する記憶はどのように形成され、今日の認識にいたったかを、戦跡を主とする「記憶の場」、具体的には靖国神社・千鳥ヶ淵、広島・長崎、沖縄・摩文仁、鹿児島・知覧を中心に分析したものだ。結論部分で強く印象に残ったのは、1960年代、1970年代は「戦争体験の断絶」(戦中派世代と戦後は世代の対立)多くいわれたが、2000年以降は「戦争体験の継承」が課題とされながら、その中味は「継承」とは裏腹にその歴史性や社会性の追求、加害の追求はなされず、「継承という断絶」「無難さの政治学」が生み出されたという分析だ。この部分の展開は非常に意味深いと思った。その他「戦争映画」についての展開も私自身が映画好きなこともあり、読み応えがあった。最近のめずらしくメモを取りながらこの本を読んだので、後日この本の詳しい紹介の文章を書いてみようと思っている。
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