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2020年10月04日14:00

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book『鉄路の果てに』(清水潔)

清水潔著『鉄路の果てに』(マガジンハウス)を読んだ。著者のお父さんはシベリア抑留の帰還者で、先年亡くなられている。著者は父の死後にシベリア抑留体験の軌跡を追って、調査を続けられ、現地踏査もし、この本にまとめられた。作者じゃジャーナリストで文章もわかり安く、読む人をその世界に引き込む。お父さんは旧満州国に派兵されて鉄道大隊に所属した。鉄道大隊は鉄道の敷設、補修と共に、敵国の鉄道の破壊も任務とした。この本を読むと戦争と鉄道の関係(特に満州国及びソビエトとの関係)が大変よく分かる。以下、終章ちかくからの引用。「私が生まれ育った国と、隣国と関係。仮想敵に怯えその実、進出していった過去。決して断ち切ることはできない戦争と戦争のつながり。日本で喧伝されていた勝ち戦、隠されていた負け戦。そして鉄道と戦争。/知り、気づく。そのきっかけは、父が遺したあのメモと地図だった。誰に向けて、何のために遺したのか、もはや永久にわからない。けれどもその存在に気づかなければ私はシベリアに来ることはなかった。」
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