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2020年02月14日16:17

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驚異の臨場感と緊張感 『1917』

007シリーズを2本手掛けたサム・メンデス監督の新作映画『1917 命をかけた伝令』を見て来ました。

残念ながら先日のアカデミー賞では技術部門のみの受賞に留まりましたが(それでも3部門受賞は立派)、映画館でしか体感できない、驚異の作品となっています。


【物語】
第一次世界大戦下の西部戦線、1917年。
英国軍上等兵のウィリアム(ジョージ・マッケイ)は、友人のトム(ディーン・チャールズ・チャップマン)とともに、ドイツ軍が撤退した無人地帯を突破して友軍に命令書を届けるという重要な任務を受ける。しかも時間はあまりない。
累々たる死骸の山やドイツ軍のしかけた罠をくぐり、緩衝地帯を急ぐ2人に次々と危機が訪れる。


…全編ワンカット撮影が話題の作品ですが、最新のデジタル技術と編集により、いくつかの長回しショットを繋げて構成しています。その編集技術は見事なものです。

そのかわり、ワンカットなのに時間の経過が異常に早いという構造的欠陥は残ります。
それを補って余りあるのが、戦場の臨場感と緊張感です。それが全編に渡って持続します。

スートリーなそれほど重要ではないのに、戦場での人間の生き死にに直面し、追体験させられるという、これは全身で体感する映画です。

名匠ロジャー・ディーキンスの撮影は見事でした。死臭漂う腐敗した死体、燃えさかる街の炎に照らし出される広場の十字架、塹壕に立ち込める湿度。見ている者はまさに、1917年の西部戦線にほうり出されるのです。

主演の2人はほとんど無名ながら、感情移入し易く、また演技も見事なものでした。
コリン・ファース、マーク・ストロング、アンドリュー・スコット、ベネディクト・カンバーバッチらが脇を固めていますが、主人公を引き立てる役に徹しています。

★★★★。映画館で見るべき、映画館のための映画です。
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