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2020年01月29日10:01

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book『移民たちの「満州」/満蒙開拓団の虚と実』(二松啓紀)

二松啓紀著『移民たちの「満州」/満蒙開拓団の虚と実』(平凡社新書)を読んだ。1931年の満州事変以降、政府の大陸侵略政策、昭和恐慌下における農村更生策の一環として遂行された満州移民政策は、1932年から敗戦直前に至るまで送出は続き、全国の自治体から27万人の人々が満州に渡った。その満州移民の実像を残された資料と満蒙開拓団、満蒙開拓少年義勇軍の体験者からの聞き取りによって明らかにした本で、大変興味深かった。戦争末期の関東軍の「根こそぎ動員」、ソ連参戦と日本軍の敗北に続く兵士のシベリヤ抑留の悲惨な実態、日本の敗戦と満州在住の人々の逃避行の過酷な実態(特に女性への)等胸を打つ話だった。著者は京都新聞の記者で、京都市の平安郷開拓団の生存者から聞き取りをベースにしてこの本を構成されているので、満州移民とは何だったのか、また関連してシベリア抑留についても教えられることが多かった。
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