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2019年05月24日00:02

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book『感情天皇論』(大塚英志)

大塚英志著『感情天皇論』(ちくま新書)を読んだ。大塚英志はまんが原作者、文芸批評家であり、著者の若い頃の本(おたく文学論等)はよく読んだものだ。私がこの本(天皇制を正面から論じている)に興味を持ったのは、第1章に「他者としての天皇(投石少年論)」が置かれていたからである。退位した天皇の成婚記念パレードがテレビで実況中継されたのは私の高校1年生の時だった、そのパレード中に少年が皇太子夫妻に石を投げ、馬車に上ろうとし、取り押さえられたことは今でもよく覚えている。当時この事件を三島由紀夫、石原慎太郎等の文学者が作品でどう書いたかを分析していて、大変興味深かった。(当時若かった沢木耕太郎が『人の砂漠』新潮社刊で「不敬列伝」を書き、その中で「投石少年」のドキュメントを書いていた。)全体としては天皇と天皇制に関しての文芸批評で読んでみて、十分分かった訳ではないが、映画「シンゴジラ」(庵野秀明)に関する批評は実際にその映画を見ているで、おもしろかった。最終章は「天皇のいない国をつくる」で、実現はできないだろうと思うが、「天皇家バチカン計画」の提案がある。
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