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2019年05月19日10:46

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book『平成の終焉/退位と天皇・皇后』(原武史)

原武史著焉『平成の終焉/退位と天皇・皇后』(岩波新書、19年3月刊)を読んだ。「序論」で、学術書なので「敬語はいっさい用いず、陛下や殿下といった敬称も用いません。」、明治天皇、大正天皇、昭和天皇や昭憲皇太后等の死後に贈られた諡号(しごう)は用いるが、天皇明仁と皇后美智子にはまだそれがないので「明仁、美智子の名で呼ぶことにします。」とある。また「年の表記は、旧暦が使われた明治五年(一八七二年)までは(中略)元号優先、太陽暦に変わる一八七三(明治六)年以降は西暦優先します。」ともあり、その厳密な姿勢に共感した。天皇の生前退位の「お言葉」以降、この逆の言葉を使い、最初から天皇及び天皇制にリスペクトしてしまい、以前は「リベラル」(又は左派)とされた知識人が総倒れ、「総転向」なのと比較して、著者の立場は貴重だ。天皇代替わりの時代を考えるに際して、一読に値する本だった。内容は、序論・天皇明仁の退位、「おことば」を読み解く(現在編)、「平成」の胚胎(過去編1)、「平成」の完成(過去編2)、ポスト平成の行方(未来編)、あとがき、資料である。
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