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2019年04月12日21:45

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伊藤大輔監督に捧げられた『多十郎殉愛記』

東映黄金時代を支えた監督のひとり、中島貞夫監督の久しぶりの新作映画『多十郎殉愛記』を見て来ました。

冒頭で「伊藤大輔監督に捧ぐ」という字幕が出ます。

伊藤大輔は、サイレント期の時代劇映画に数多くの傑作を残した伝説的監督ですが(戦前のフイルムはほとんど散逸)、今回の映画は終盤の殺陣が最大の見どころであり、中島監督の思いが込められたのでしょう。


【物語】
幕末。
長州藩を脱藩した清川多十郎(高良健吾)は、剣豪として知られた腕を持ちながらも、京都の居酒屋で用心棒をする日々を送っていた。かつての仲間の藩士たちの誘いも断り、酒に溺れる多十郎だったが、居酒屋の娘のおとよ(多部未華子)は彼に惚れていた。
しかし、京都見廻組による素浪人の詮議が厳しくなり、多十郎は追い詰められてゆく。


…あまり強い剣豪には見えない高良健吾と、居酒屋の娘役がよく似合う多部未華子のアンバランスなミスマッチが気にはなります。しかし、映画の見どころは先述の通りの最後の殺陣にあります。市川崑監督の『どら平太』では、市川崑らしく上手にごまかされていた殺陣の場面も、この映画ではたっぷりと見ることができます。

中島貞夫の監督作品はそれほど多く見ておらず、しかし見た映画はどれも強烈です(『脱獄広島殺人囚』!『沖縄やくざ戦争』!!)。さすがにあの頃の鮮烈さはありませんでしたが、老巨匠の名人芸を見たような気持ちになりました。

★★★。
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