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2019年01月13日11:31

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80〜90年代のユニヴァーサル製コメディ

BSプレミアムで続けて放送された2本のコメディを見ました。


●『マネー・ピット』 (1986米 ユニヴァーサル)

スピルバーグ製作、トム・ハンクス(若い!)主演のスラップスティックな住宅コメディです。
バスター・キートンの『文化生活一週間』あたりに原典がありそうなお話です。

【物語】
偶然、郊外の大邸宅を超格安で手に入れた弁護士のウォルター(トム・ハンクス)と妻のアンナ(シェリー・ロング)。念願の我が家のはずだったが、それは衝撃的にボロい欠陥住宅であった。
水道は出ず、電気のスイッチを入れると配線が炎上し、階段は崩壊、バスタブは床を突き破って階下へ落下する始末。自力での修理もままならず、業者に修理を依頼するウォルターだったが…。

…監督のリチャード・ベンジャミンは『ウエストワールド』『シーラ号の謎』で知られる俳優。正直、あまりコメディのセンスがあるとは思えず。トム・ハンクス(若い若い!)のハイテンションな演技と大掛かりなボロ住宅のセットで何とか笑わせるのに必死な感じが伝わってきます。

スピルバーグが製作総指揮したこの時代の映画には、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『グレムリン』『インナースペース』と佳作傑作が勢ぞろいなのに、やはりコメディとは相性が良くないのが露呈しているようです。★★★。


●『永遠に美しく…』 (1992米 ユニヴァーサル)

この映画、中学生の時に公開当時の試写会で見ています。
VFXには驚嘆しましたが、物語そのものは気色悪く、受け付けなかった記憶があります。
しかし今では、ロバート・ゼメキス監督の最高傑作と思っています。

【物語】
かつては腕のよい整形外科医だったアーネスト(ブルース・ウィリス)は、アルコール漬けとなり、妻であり女優のマデリーン(メリル・ストリープ)との仲も冷え切って、失意の日々を送っていた。一方のマデリーンは、かつての恋のライバルだったヘレン(ゴールディ・ホーン)の昔と変わらぬ驚異のプロポーションを見て、衰えていく自身の容姿に悲嘆に暮れる。
藁にもすがる思いのマデリーンは、知り合いの紹介である屋敷を訪れ、女主人(イザベラ・ロッセリーニ)に謎の薬をもらう。それは、若返るどころか、永遠の命を手に入れられる驚異の薬だった。

…メリル・ストリープとゴールディ・ホーンという熟女俳優2人が、怪演につぐ怪演で演技合戦を繰り広げるブラック・コメディ。老けメイクで終始顔色の悪いブルース・ウィリスも交わり、豪華な俳優陣の珍共演が面白い(色気を振りまくるイザベラ・ロッセリーニの怪演も凄い)。

階段から落ちた(死んだ)メリル・ストリープを診察し、ショックで自分も倒れてしまう医師に、映画監督のシドニー・ポラックが扮しています。この人の出演作は『アイズ・ワイド・シャット』もそうですが、悲惨な役が多いです。

オプチカル・プリンター(光学合成)最終期の作品であり、CG黎明期の作品でもあります。2つの技術が混在する、特殊撮影の過渡期の作品として見ても面白いです。

首が180度回転するメリル・ストリープ、腹に大穴が開くゴールディ・ホーンの特殊効果は見どころ。メイクは大御所ディック・スミスによるものです。

薬の力で密かに生きていた有名人が集うパーティでは、マリリン・モンローやジェームズ・ディーン、アンディ・ウォーホルも登場。小ネタを探すのも楽しいです。

何とも皮肉で気持ちの悪いラストを迎える映画(いい意味で)。
こういう珍品にこそ監督の本性が現れるもので、ロバート・ゼメキスの場合も、『フォレスト・ガンプ』などではなく、この映画の方に本音が出たのでは?と勝手に憶測しています。★★★★。
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