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2018年05月09日08:48

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book『さくらのカルテ』(作・中澤晶子、絵・ささめやゆき)

作・中澤晶子、絵・ささめやゆき『さくらのカルテ』(汐文社)を読んだ。昨年毎日新聞大阪本社版に連載された作品で、掲載時に注目して読んだが、単行本になってさらに輝いて見えた。さくら専門の精神科医、サクラハナ・ビラ先生と助手のさくらふりかけとが狂言回しとなり、三つのさくらに関する物語が紡がれる。ひとつは京都の桜花寺に旅の絵師が訪れ、さくらのふすま絵を描く話(桜は「太白」)、二つはベルリンの壁をめぐってのおばあさんとさくらの物語(桜は「八重桜」)、三つは福島の原発事故後、人がいなくなっても満開の桜の物語(桜は「染井吉野」)。シリアスだが人間の「希望」とロマンを感じさせる作品だ。中澤さんの文章にささめやゆきさんの絵がマッチしてとてもいい。私は最初の旅の絵師の物語が大変好きだ。中澤さんの次作を期待したい。
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