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2018年05月06日03:19

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book『空気の検閲/大日本帝国の表現規制』(辻田真佐憲)

辻田真佐憲著『空気の検閲/大日本帝国の表現規制』(光文社新書)を読んだ。この本は戦中・戦前の検閲制度を解剖した大変興味深い本だった。検閲制度を強権的な正規の検閲制度と出版・新聞・映画・レコード会社側が権力のいいなりになる自主規制による非正規の検閲システムとの両面に渡って分析する。また植民地本国だけでなく、朝鮮・台湾等の植民地における検閲制度にも言及する。三谷幸喜の芝居に「笑の大学」という戦前の検閲官と劇団側の検閲をめぐる丁々発止のやりとりを描いた作品があるが、それを思い起こさせる「おもしろい」側面のある検閲制度の研究だった。参考に内容の目次から引いておく。
第一部 検閲の動揺
第一章 エロ・グロ・ナンセンス対検閲官(一九二八〜一九三一年)
第二章 世間と共振する検閲(一九三二〜一九三六年)
第二部 広がる検閲網
第三章 植民地の独立運動を抑圧せよ(台湾、朝鮮)
第四章 聴く検閲、観る検閲(脚本、映画、放送、レコード)
第三部 戦争と検閲
第五章 日中戦争と忖度の活用(一九三七〜一九四一年)
第六章 太平洋戦争と軍部の介入(一九四一〜一九四五年)
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