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2017年12月12日13:56

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book『不死身の特攻兵』(鴻上尚史)

鴻上尚史著『不死身の特攻兵/軍神はなぜ上官に反抗したか』(講談社現代新書)を読んだ。1944年の第1回特攻作戦から9回出撃し、命令に背いて生還を果たした特攻兵がいた。その元特攻兵佐々木友次さんは昨年92歳で亡くなられたが、著者が亡くなる直前5回のインタビューを実現し、本になった。私は大岡昇平の『レイテ戦記』を読んだとき、この事実を知った。『レイテ戦記』を読んだときの感想は次の通りだった。「特攻に関して、「(搭乗員佐々木友治伍長は)特攻隊中の変り者で、自分の爆撃技術に自信があり、体当たりと同じ効果を生めばよいのだという独自の信念の下に、爆弾を切り離して生還したのであった。」「伍長は再び生還した。その後何度出撃しても必ず生還し、二ヵ月後エチヤゲ飛行場で、台湾送還の順番を待つ列の中に、その姿が見られたという。」こんな人がいたのだ。その人のその後を知りたいと思った。」大岡の透徹した記録文学と評価
に高い『レイテ戦記』にもかかわらず、全体を通じて「特攻」への認識には時代的制約からくる「ぶれ」があり、佐々木氏への記述に否定の含みがあって疑問だった。鴻上尚史著『不死身の特攻兵』は佐々木さんがなぜこのような抵抗を続けることができたか、その軌跡が書かれていて、実に興味深かった。「『万朶隊』の中で最年少の21歳の若者が、体当たりの命令に背き、けれども逃げずに戦い、生き続けてた姿勢は,『戦争と日本人』というイメージからはるかに離れていると。」「多くの人に佐々木友次という人がいたことを知ってほしい。(中略)佐々木さんという存在が僕と日本人の希望になるんじゃないか。」
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