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2017年04月14日04:20

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book『出世ミミズ』(アーサー・ビナード)

アーサー・ビナードのエッセイ集『出世ミミズ』(集英社文庫、2006・2・25)を読んだ。図書館で借りてきたアーサー・ビナードのエッセイの最後で、文庫本オリジナル版である。『出世ミミズ』という意表をつかれるタイトルだが、そのタイトルと同じ一文はデトロイト郊外で父と過ごした少年時代の魚釣りの思い出の話だ。この本はビナードさんの来日初期のもので、『空からきた魚』『日本語ぽこりぽこり』とともに非常によいと思った。この本に私が付箋を入れた箇所を上げると、それは「<からゆき>のサキさんと<JAPANゆき>のぼく」で、ビナードさんが日本へ行くことを決めた契機が映画「サンダカン八番娼館・望郷」(熊井啓)だったことが触れられていて、とても魅力的な文章だった。他に「禁断の果実」はリンゴでなかったという話、「戦争とWARの違い」も印象的だった。これでビナードさんのエッセイ集はほぼ読んだので、次に彼の詩集・絵本類を読んでみようと思っている。
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