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2017年04月11日04:45

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book『アーサーの言の葉食堂』(アーサー・ビナード)

アーサー・ビナードのエッセイ集『アーサーの言の葉食堂』(株式会社アルク)を読んだ。ビナードさんの最も新しいエッセイだ。このエッセー集の一番最後の文章に東京から広島に移住されたことが出ている。『言の葉食堂』は、「マガジンアルク」の連載の「日々のとなり」が本になったもので、「アルク」は英語教育関係の出版社のようだ。ビナードさんが、日本の英語表示または日本語の英語への翻訳等、さまざまな言葉に関わる話を看板・ポスター等の写真を介してまとめたもので、非常に楽しい本だった。(私は英語の勘があまりよくないので、その面白みが充分分かった訳ではないが、語学感覚のいい人が読むともっとおもしろいと思う。)「あとがき」で洗濯用合成洗剤(シャンプー・リンス、台所もふくめ)を使わないことを書かれているが、私のそのあたりの生活がいいかげんなので、考えてみようと思った。またそのことと「言葉」との関係を次のようにとらえられているのには、「なるほどな」と思った。「言葉を使うときも、その言葉の向こうにある実態を意識しないと。/使われたあと、言葉がどこへ流れ、生活の中でどう拡散して、あるいはどう濃縮されていき、どんな問題を引き起こしているのか、無視してはならないと思う。食物連鎖とよくにた仕組みが、ぼくらの言論の世界にもひそんでいて、『汚染語』の垂れ流しを放置していると、いずれみんな自分たちに返ってくる。」「この『言の葉食堂』は、そもそも生活の細部へのこだわりから生まれた一冊だ。」(「あとがき」)
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