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2017年03月18日14:18

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book『原爆詩集』(峠三吉)

峠三吉著『原爆詩集』(岩波文庫)を読んだ。『原爆詩集』が岩波新書に入ったことは今月初めに広島で知った。何でまた「今頃」と思ったが、日本の「良識」とはその程度か。広島でパネリストとしての発言を聞いたアーサー・ビナードさんが文庫本の解説「日本語を被爆させた人」を書かれている。「日本語を被爆させた峠三吉」という視点で書かれた作品論は大変すばらしかった。このような視点から『原爆詩集』を読むことができるとは「目からうろこ」だった。また大江健三郎も解説「『原爆詩集』を読み返す」を書いているが、老境に達した大江さんの言葉が静かに響いていた。これまで『原爆詩集』を読んでいたが、こうしてあらためて読むと、峠三吉の言葉が「映像」として立ち上がることに感激したし、詩形式以外の散文にも心を打つものがあると気がついた。(「倉庫の記録」)この詩集のとりたてての箇所ではないかもしれないが、その言葉の展開に特別な響きを感じた。(「炎の季節」)「人くさくて 人の絶えた 何里四方かの 死寂(しじゃく)」最近アーサービナードさんは、絵本『ドームがたり/未来への記憶』(玉川大学出版会)を出された。読んでみようと思っている。
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