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2016年12月18日18:38

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cinema「湾生回家」(黄銘正)

「湾生回家」(黄銘正)を見た。久しぶりの台湾映画だ。「湾生」とは戦前の台湾で生まれ育った日本人を指す。その湾生たちは敗戦後日本に強制送還されたが、高齢化した今も育った台湾を懐かしみ、「故郷」という。その彼ら彼女らがその懐かしい台湾を訪れ、旧友たちを訪ねて行く。そのドキュメンタリーを台湾の若い監督が撮る。この映画のはじめの頃は、この人たちは台湾統治時代の植民地者としての自意識はあるのかと違和感を感じた。しかし見続けるうちに湾生たちの日本に戻った戦後の生活は幸福ではなかったのだと気がついた。湾生たちを包み込む台湾の人々の穏やかなで暖かな人柄が伝わってきた。年老いた湾生たちの台湾への思いが感じられる映画だった。湾生たちが「ふるさと」を歌うラストは「故郷=台湾」なのだから、とても皮肉ではないか。私は中年になるまで父の戦死した場所を「台湾」(ほんとうは中国だった)と勘違いしていたので、台湾については特別の思い入れがある。台湾日本語世代の思いを描いた「台湾人生」「台湾アイデンティティ」(酒井充子)があるが、逆の面から描いたもので、ぜひ見たくなった。
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