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2016年08月20日10:35

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小池教室

本日の講義は斎藤茂吉『連山』より。
茂吉は小池さんが折に触れ繰り返し読む、そのたびに感じるところが有ると。

  年ふれる壕のなかよりわが兵の煙管出でしと聞くが悲しき

短歌は記録性を持つ。この壕は日露戦争の時のもの。
壕の中で兵隊はタバコを吸っていたのだねえ。
それも煙管で…。
(煙管は手間暇かかる、のんびりである)


  道観に飼はるる猫はキャラメルを今食はむとしてよろづを忘る

道観は道教のお寺の事。
キャラメルと猫のとりあわせが意外である、おかしい。
キャラメルが転がる、猫が夢中になって追う。場面が見える。
「今食はむとして」いいなあ「よろづ」これがいい名句!


  わがそばに克琴(くーちん)といふ小婦(しょうふ)居り西瓜の種子を舌の上に載す

小婦は娼婦だね。ふつうの人が舌の上に載せて西瓜の種を見せたりしない。


  北満ホテル第三十五号室の鏡にて伸びしわが顎鬚を見つつつまむ

荒々しい投げ出すような歌。いくらでも定型に作ることはできるのに、
そうではなく「鏡にて」ここだけが定型で決め。



斎藤茂吉は読めど飽かぬとおっしゃるが、どうも自分一人で読むときに、
その良さがわからな〜い。(ろくに読んでもいないし、こんなんでよいのでしょうか!)



題詠 ・ はさみ

  なんでも切れる鋏をもつてます切れ過ぎるのでしまつてあります     とうこ

小池 ・ ちょっと怖い!初句四音ね。
      自由自在で面白い。時にこういう歌もいい。

添削 三句目空を。

 なんでも切れる鋏をもつてます 切れ過ぎるのでしまつてあります 


ほんとは不器用なのにこう言ってみたいのであります!    







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