うつとりと金魚じょーろより出る水に手触れをりたり真夏の子供 蜻蛉(とんぼう)はいまB地点へゆくところビニールプールの上のホバリングコンクリートのたたきに蝉がころんと二匹転がっていました。充分に鳴いたでしょうか。
秩父へ 改札をてもなくスイカにとほりぬけすいと燕のむかへをうける 山郷の斜面(なだり)を占める杉の林秩父は暗きといひし人はや 擦過創しるき荒肌武甲山に涙のごとく芝桜赤し 番場町一の一には秩父神社知恵の神なる八意思兼神(おもひか
7月の国立劇場は歌舞伎「義経千本桜」丁度高校生の歌舞伎鑑賞と一緒になって、芝居の前に中村萬太郎が、<歌舞伎のみかた>を解説する。まあ、その口跡の鮮やかなこと、附け(つけ)と一緒にバチバチッそりやっと見えを切って見せるところなど気持ちよさそう
いまだ懲りずに俳句を。 兼題 ・ 風鈴 風鈴売とりどりの風つれてくる 兼題 ・ 片蔭 片蔭の動き黒猫出できたり 当季雑詠 鰻待つ夫との会話尽きにけり 点ほどの蟻精巧に歩みけり季語と現在の日常との乖離はしばしば言われてい
46首三人欠席でした。 樋の下コンクリートの穿たれてしたたるは雨したたかな雨*樋の下の「の」がいるだろう。*「て」は原因結果をいうがこの「て」は下二句を支えられるか?*したたるは雨→違和感あり*したたかな雨→言い過ぎ*Nさんがまあ、調子の
本日の講義は河野裕子歌集『紅』より第五歌集 九年ぶりに出したもの。36歳から44歳。 水蜜桃(すいみつ)の雨のあお実のしろうぶ毛触れがたくしてひとづまわれはひとづまわれは とはなかなか言えない大胆で河野らしい歌。イメージが下から展開してゆ
まことに梅雨らしい小雨の日。 題詠 ・ 捨てる 捨てられぬもの多くをとこ就中職引きて後の資料いろいろ*男が自嘲的に詠んだか、男の奥さんが詠んだか?*捨てられぬ、男を?*資料は退職してからまた集めた資料とも読める。多き男→では特定の男に
開かないドア 熱出でし子のめんだうをみにゆかむ車窓とほくに近くにさくら 単線の駅舎出づればそらみつ山桜大島桜さきさかりをり 熱の子はひとりであそぶ目に力の現はれたり消えたりしながら 折り紙の金のひらひら折らむとして二歳の