シリーズ第５作となるスパイ・アクション『ミッション：インポッシブル ローグ・ネイション』を見て来ました。
シリーズ初のドルビー・アトモス仕様となる作品なので、ドルビー・アトモス対応館で鑑賞。観客を取り巻くあらゆる方向から驚異的にクリアーな音がする最新システムで、その効果音には凄まじいものがありましたが、セリフに過度なエコーがかかり、不自然さが感じられる欠点もありました。
【物語】
テロリストの輸送機からＶＸガスを奪還し、次の指令を受けるためにロンドンへ飛んだイーサン・ハント（ﾄﾑ･ｸﾙｰｽﾞ）。しかし指令は偽物であり、何者かに捕えられてしまう。敵の組織の一員と思われる女・イルサ（ﾚﾍﾞｯｶ･ﾌｧｰｶﾞｿﾝ）に助けられたハントだったが、その頃本国では、ＣＩＡの新長官ハンリー（ｱﾚｯｸ･ﾎﾞｰﾙﾄﾞｳｨﾝ）がＩＭＦの活動を疑問視し、ＩＭＦを解体。ハントを反逆者と見なし、追跡を開始する。
数か月後、ひとり潜伏して敵を追っていたハントは、ベンジー（ｻｲﾓﾝ･ﾍﾟｯｸﾞ）やブラント（ｼﾞｪﾚﾐｰ･ﾚﾅｰ）の協力を得て、敵が”シンジケート”と呼ばれる元諜報員の組織であることを知る。
…監督は、『ユージョアル・サスペクツ』の脚本家でもあったクリストファー・マッカリーで、本作が『アウトロー』に次いで２度目の監督作品となりますが、『アウトロー』よりも良く出来ています。監督自身で書いたという脚本は良く練られており、往年のユーロ・スパイ映画を彷彿とさせるものです。
もっとも、多少フロシキを広げすぎた感はあり、二転三転するストーリーを必死に追っていると、アクションがあまり目に入らなくなる嫌いはありました（前作『ゴースト・プロトコル』を見ておいた方が良い要素もいくつかあります）。
そのアクションには迫力がありますが、００７シリーズほどの洗練さは無いため、力技でどんどん押してくるせわしなさがあります。でも大半のアクションは見ていて楽しいものです。
特にこの映画には、飛びぬけて良い点が２つあります。
１点目は、ラロ・シフリン作曲の”ミッション：インポッシブルのテーマ”の使いどころ。
ブライアン・デ・パルマ監督の伝説的な第１作には及ばないまでも、映画のオープニング・タイトルとエンド・クレジットはあのテーマ曲の独壇場。『M:i-�供抂聞漾∈任皀�ッコよくテーマ曲が使われた好例です。
もう１点は、クライマックスでイーサン・ハントと敵が対峙するシーン。アクション映画の悪玉と主人公の対決シーンは数多くあれど、このクライマックスの鳥肌の立つような快感は、シリーズ随一です。
このあと公開される『キングスマン』『コードネームU.N.C.L.E.』を経て、ついに大本命『００７／スペクター』に至るまでのスパイ映画祭りがいよいよ開幕です。その第一弾を飾るのにふさわしいスパイ・アクションでした。
★★★★。
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