今年のT賞は二人、おふたりとも「孤独」をテーマにした連作でした。
恥ずかしながら私も応募。
最終選考の6篇の一つにありました。
重ねゆく歳を夏という季節に寄せて、でしたが力及ばず…。
いつも初めは意気盛んなのですが推敲を重ねてゆくうちに
だんだん歌が平たく平凡になってきて、あ、いかん、つまらぬなあ…。
それでもせっかくだからあ、と応募しました。
最終まで残ってあれ?意外な!
批評でよいと言われた歌。
「夏の切符に」
三叉路の酒屋の老いた兄さんがしやぼん玉吹く夏のゆふぐれ
いつまでもぬるきシャワーを浴びてゐつ人の形に添ひてゆく水
批評に賛否両論があったという歌はこんなのでした。
地下鉄の出口に男の子が身をひねり進学塾の団扇をくばる
「この夏、君はどこまで戦へるか」手渡されたり花火の夕べ
「君を変へる夏期講習」へ行かむかな十八歳のこころさがして
カッコ内は団扇に書いてあったフレーズです。
団扇を渡していた若い男の子がいい年をした女(わたし)にくれるのも
どうかと思うけれど、わたしはまじまじと読んでしまいましたよ!
手渡されました!
こういう変なことが好きなの…。
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