しょうもないけど面白い 『フライングハイ』

WOWOWでなぜか『フライングハイ』２部作が立て続けに放送されたので、25年ぶりくらいに見ました。おそらく初見はテレビ東京の昼の映画番組だったと思います。

そのときも、しょうもない映画だと思って見てた記憶があるのですが、25年近く経った今見ても同じ感想でした（半分ほめ言葉です）。

『大空港』シリーズのパロディ映画です。
1980年、パラマウント。アメリカ映画です。

【物語】
かつては空軍のエースパイロットであり、戦時中のトラウマから飛行機に乗れなくなったストライカー（ﾛﾊﾞｰﾄ･ﾍｲｽﾞ）。スチュワーデスの恋人エレイン（ｼﾞｭﾘｰ･ﾊｶﾞﾃﾞｨ）を追って、彼女の乗る旅客機にやむを得ず乗り込んだストライカーだったが、機内食が原因で食中毒が発生し、乗組員がみんな倒れてしまう。仕方なく、ストライカーは操縦桿を握ることになるが…。

…冒頭の『JAWSジョーズ』や『ステイン・アライブ』のパロディに始まり、『大空港』シリーズのパロディが散りばめられた映画で、しょうもないギャグが満載。そのほとんどが時代的に賞味期限切れなので、笑いというよりは苦笑の連続です。

それでも面白いのは、本作でコメディに開眼したというレスリー・ニールセンの演技（本人はほとんど笑わずに笑いを取る）や、ロイド・ブリッジズ、ロバート・スタック、ピーター・グレイブスなどの渋い名優の怪演があるからです。

本作と同じ監督・脚本・プロデューサー集団”ＺＡＺ”によるこのあとの映画、『裸の銃を持つ男』『トップ・シークレット』もしょうもない映画ですが、これは元祖。疲れた仕事脳にはちょうどいい映画でした。★★★。

同時代のパロディ映画作家にメル・ブルックスがおりますが、彼の映画はなぜか風化しないのが不思議。今見ても段違いに面白いです。