19世紀に実在した興行師、P・T・バーナムの挫折と栄光を描いた映画『グレイテスト・ショ−マン』を見て来ました。その楽曲は高く評価され、アカデミー賞にもノミネートされています。
上映時間は105分とコンパクトですが、近作でも『ムーラン・ルージュ』などのミュージカル映画を贈りだしている20世紀FOXらしい、華やかな映画に仕上がっています。
【物語】
19世紀半ばのアメリカ。
人びとを笑わせることに生きがいを感じるP・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、勤めていた会社が倒産したのをきっかけに、ショーを演出する興行師として生きていくことを決める。
巨大な身長の男や小さな男、髭の女など、マイノリティなメンバーを集めてのショーは大成功を収めるが、同時に社会的な反発を生む。
…『ローガン』と掛け持ちでこの映画を撮影していたというヒュー・ジャックマンのパフォーマンスが圧巻でした。今や歌も踊りもこなす稀有な俳優であり、ヒュー・ジャックマンがスクリーンに登場すると、見る者を一気に惹きつける輝きがあります。1950〜60年代のミュージカル映画のスターのような風格が出て来ました。
一方で、レベッカ・ファーガソンが実在の歌姫ジェニー・リンドに扮し、驚異のパフォーマンスを見せるシーンがあるのですが、こちらは吹き替えのようで残念でした。
実在のP・T・バーナムはペテン師のような男で(劇中でも自らペテン師と名乗るシーンがあります)、マイノリティを見世物として扱っていたようです。今の時世にそれを実話のまま映像化するのは難しいとは思うものの、映画的に感動的に味付けを施すことには疑問も少々あります。
ミュージカル映画としては非常によく出来ています。
監督のマイケル・グレイシーは、これが長編デビュー作というのが信じがたいほど。脚本のビル・コンドン、製作総指揮のジェームズ・マンゴールドなど、監督経験のあるベテランが支えての結果でしょうが、監督第2作で腕が試されることでしょう。
★★★。
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