マーベルの新たなヒーロー映画『デッドプール』を見てきました。
『X−MEN』シリーズと世界観を共有しており、製作も同じ20世紀FOXなので、ディズニー印の『アベンジャーズ』シリーズとはかなり毛色の異なる作品です。
『アントマン』を見た時も異色と思いましたが、こちらはかなり異色中の異色作です。
【物語】
元傭兵のウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は、高級娼婦のヴァネッサ(モリーナ・バッカル)と恋に落ちるが、末期ガンであることが判明。ガンを治療してやるという組織の人体実験を受けるが、そこはミュータントを人工的に製造する悪の組織であった。
超人的な力と不死身の肉体を手に入れたウェイドだったが、全身が醜くただれてしまう。
組織への復讐を誓うウェイドは”デッドプール”となり、組織を追い詰めていく。
…史上稀な、自分が「映画の主人公であること」を理解しているヒーローの誕生です。
主人公のデッドプールは観客に話しかけ、BGMを操作し、カメラを意識します。デッドプール自身が監督であるような、規格外の演出。冒険ですが、成功しているのが見事です。
オープニングからエンド・クレジット後まで、膨大な量の映画的楽屋オチが満載(映画ネタでないのも色々)。主演のライアン・レイノルズがかつて演じてコケた『グリーン・ランタン』まで飛び出す破天荒な演出は爆笑必至です。
マーベル映画としては小ぶりなのですが、プロデューサーまで務めたライアン・レイノルズの意気込みの伝わる、背伸びのしてない作品。2時間弱の上映時間も丁度よく、演出のテンポもメリハリも良い映画です(ドぎついバイオレンス描写はありますが、ほとんどが笑いに昇華しています)。
悪玉が典型的でストーリーも王道の復讐劇。しかし見せ方の上手さに唸らされた映画でした。
★★★★。
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