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2020年02月13日20:50

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book『天皇をめぐる物語』(田中伸尚)

田中伸尚著『天皇をめぐる物語/歴史の視座の中で』(一葉社、1999年4月刊)を読んだ。この本は、2000年2月に卒業式での日の丸・君が代強制に反対する高槻の市民組織のパネル・ディスカッションに田中伸尚さんをお呼びした時に入手した本だった。その頃は日の丸・君が代導入反対に気持ちが向いていたので、この本を読まないまま置いていた。その後、私は靖国問題、父の戦死をめぐる戦争の記憶の方に心が向き、田中さんの本を読み続け、昨年は田中さんの『ドキュメント 昭和天皇』(全8巻)を読み切った。その上で『天皇をめぐる物語/歴史の視座の中で』に回帰した。その上でこの本を見ると、「合祀拒否から何を受け取るか」(中谷康子さんの15年の闘い)、「未決の戦争責任と戦後責任の発生」「フィクションとしての象徴天皇制」など、『ドキュメント 昭和天皇』を書き上げた蓄積の上と明仁天皇代替わり儀式反対運動の展開を踏まえていて、重厚であり、今もアクチュアリティをがある。最終章(「希薄化」の中のナショナリズム)を読むと、この20年間のナショナリズム、ヘイトクライムなどの変化はすさまじく、排外主義と格差社会の激化はすさまじいと痛感する。続けてこの時期の田中さんの本『さよなら国民/記憶する「死者」の物語』、箕面忠魂碑訴訟のドキュメント『反忠/神坂哲の72万字』(いずれも一葉社)を読む予定だ。
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