単独長編劇場作品としては95年の『くたばれ!ノストラダムス』以来となる、『ルパン三世 THE FIRST』を見て来ました。
シリーズ初の本格的な3DCG作画、監督・脚本が山崎貴ということで一抹の不安がありましたが、
93分という短い上映時間の割にはコンパクトにまとめられており、悪くはありませんでした。
3DCGによるルパン作品は原作者モンキー・パンチの構想でもあったと言われています。
(パイロットフィルムも作られていたように思います)
【物語】
(恐らく1960年代と思われる)パリ。
秘宝のありかを示すという、考古学者ブレッソン教授が大戦中に記した”ブレッソン・ダイアリー”を盗み出したルパン三世(声:栗田貫一)。仕事の邪魔をした娘レティシア(声:広瀬すず)が何かを知っていると睨んだルパンは、レティシアと共同で”ブレッソン・ダイアリー”の秘密を解き明かそうとするが…。
…中編映画『次元大介の墓標』『血煙の石川五右ェ門』『峰不二子の嘘』と同じく、原作の描かれた60年代が舞台となります。ただしバイオレンス度が高かったあの3作とは異なり、今回はお子様でも楽しめるエンターテインメント映画です。
声を先に収録し、それに合わせて作画をするプレスコ方式の作品ですが、ルパン一家はともかく、広瀬すずの「アニメーションになじめない感じ」が終始付きまといました。2人の悪玉を演じる吉田鋼太郎と藤原竜也は良いです。
ルパン以外の4人…次元、五右ェ門、不二子、銭形は、お定まりの役を演じているだけで特に見せ場はなし。そう思うと『カリオストロの城』は偉大でした。それぞれに決め台詞と見せ場がありました。
3DCGは悪くはないのですが、軽い感じがしました。重さがない。この点、国産3DCGはまだまだ発展途上です。無理して3D化するのではなく、得意のセル風作画を極めてくれれば良いと思うのですが…。
大野雄二の音楽は最高でした。ジェームズ・ボンドのテーマばりに、あの”ルパン三世のテーマ”が何度もアレンジを変えて鳴り響きます。
大人の色気のあるエンディング・テーマもよい雰囲気でした。『カリオストロの城』の名曲”炎のたからもの”によく似ています。
★★★。
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