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2019年08月03日16:51

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book『朝鮮人BC級戦犯の記録』(内海愛子)

内海愛子著『朝鮮人BC級戦犯の記録』(岩波現代文庫)を読んだ。いずれ読もうと思っていた手持ちの本だ。この前、大沼保昭・内海愛子・田中宏・加藤陽子著『戦争責任/アジアンのまなざしに応えて』(岩波書店)を読んだので、この本を読むのにエンジンがかかった。「いわゆるA級戦犯として絞首刑になった日本人が七人なのに二三人もの朝鮮人がBC級戦犯として、絞首刑・銃殺刑に処せられている。台湾人の場合は、二一人が処刑された。なぜ、旧植民地の人々が、日本の戦争責任を問われたのか。」(「はじめに」)日本が太平洋戦争中に占領したアジア各地にイギリス人やオランダ人捕虜(俘虜)を管理、監督する監視員として朝鮮人軍属がタイ、ジャワ、マレーシア、シンガポール等の俘虜収容所に派遣された。敗戦後、朝鮮人軍属は戦争犯罪人として、イギリス・オランダが設置した戦犯裁判で裁かれた。戦時中、俘虜収容所で一体何が起こっていたのか、収容所の実態、朝鮮人が監視員になった経緯、朝鮮人を裁いた戦犯裁判の実態等を詳細に展開したドキュメントだった。圧巻なのは、戦犯裁判での具体的詳細な事例と現在まで続く国家補償を要求する執拗な闘いの記録だった。昨年、朝鮮人BC級戦犯の問題を演劇で描いた「赤道下のマクベス」(鄭義信)を見ているので、大変この本が興味深かった。続いて内海愛子・村井吉敬著『赤道下の朝鮮人叛乱』(勁草書房)を読むつもりだ。
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