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2017年10月19日20:12

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book『サラの鍵』(クチアナ・ド・ロネ)

クチアナ・ド・ロネ著(高見浩訳)『サラの鍵』(新潮社クレストブック)を読んだ。1942年7月16日、ナチス占領下のパリでフランス警察はユダヤ人13000人を一斉検挙した。彼らはその後フランス内の収容所からアウシュビッツに移送され、ほとんどが虐殺された。戦後長らく隠蔽されてきたヴィシー政権と対独協力の記憶に真正面から切りこんだ小説だ。連行寸前、10歳の少女サラは弟のミシェルを納戸に隠し、鍵をかけた。「あとでもどってきて、出してあげる、絶対に」と。60年後のパリで、夫と娘と暮らす45歳の(アメリカから結婚で移住した)女性ジャーナリストのジュリアは、このヴェロドロ―ム・ディヴェール大量検挙事件を取材し、サラの連行後の行方を追いかけ、弟がどうなっのか、さらにサラの戦後を徹底的に調べて行く。そのなかで分かった真実はなにか。実にすごく衝撃的な展開に打ちのめされた。またそのなかで明らかになる人間的な葛藤とそれを突破するドラマに感動させられた。実にすばらしい小説だった。(直接読んでいただくのがいいと思うので、ここでも細かなストーリーを紹介することはしない。)この小説は同名で映画化されており(ジル・パケ=ブランネール監督)、公開時に見落として残念だった。ツタヤの店頭では常備されていない作品なので、ユーチューブのスペイン語版で見るつもりだ。(あまり語学力には自信がないが)
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