book『夕凪の街　桜の園』『この世界の片隅に（上・中・下）』（こうの史代)

こうの史代著「夕凪の街　桜の園」「この世界の片隅に（上・中・下）」（双葉社）を読んだ。先に見た映画「この世界の片隅に」（片淵須直）の原作漫画だ。この原作漫画を友だちに借りて読んだ。こうの史代は１９６８年広島市生まれの漫画家だ。「わたしは広島市に生まれ育ちはしたけれど、被爆者でも被爆二世でもありません。被爆体験を語ってくれる親戚もありません。原爆はわたしにとって、遠い過去の悲劇で、同時に「よその家の事情」でもありました。怖いということ事だけ知っていればいい昔話で、何よりも踏み込んではいけない領域であるとずっと思ってきた。」（『夕凪の街　桜の園』の「あとがき」）その彼女が、『夕凪の街　桜の園』から『この世界の片隅に』までヒロシマを描てきた。その軌跡がこの４冊で読み取ることができる。被爆、ヒロシマを描いて、こう言って変だが、「豊かな世界」が感じられる漫画だ。新たに若い世代にヒロシマがバトンタッチされたのだと思わせられた。なお『この世界の片隅に』はテレビドラマ版が放映された。（日本テレビ、２０１１年８月５日。北川景子主演。）なお、実写版は中国の動画サイトで見ることができる。