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2016年12月13日10:57

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book『絶望の国の幸福な若者たち』(古市憲寿)

古市憲寿著『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社+α文庫)を読んだ。『古市君、社会学を学び直しなさい!!』を読んだ後、アマゾンで取り寄せた同著者の4冊の本のうちの最初だ。若い世代の著者が同世代と社会との関係性についてとらえようとした大変興味深い本だった。「僕にとって本を書くということは、図鑑作りに似ている。(注、著者は子どもの頃、図鑑作りが趣味だった。)だから本書も、二六歳の僕なりの「若者」図鑑だったということになる。『絶望の国の幸福な若者たち』を書いて一番よかったと思うのは、この本をきっかけに僕の世界が広がったことだ。少しでも世界を見はるかせる場所にいたほうが、きっと良質な図鑑を作ることができる。」(「文庫版あとがき」)単行本でこの本が出た2011年(東北大震災の年)は著者は26歳であり、文庫本化された2015年は30歳である。著者のすごいところは、文献検索・フィールドワークが詳細で、2015年の時点でのデーターを補足し、2011年の著者の見解を再考していることである。私が特に興味を持った箇所は、若い世代と高齢者との「世代間格差」論を批判した所だった。「世代間格差の話をしたが、若者たちの親世代が高度成長期の恩恵を受けてきた「勝ち組」世代なのだ。だからマクロで見た世代間格差も、実はミクロで見れば格差ではなく、家族内で様々な資源の移転が行われている場合も多いだろう。」「世代間格差の解消のため高齢者に強いる負担は、結果的にその子どもたちの負担にもなるからだ。」(P335〜336)この箇所をロスト・ゼネレーションの最初の年齢である私の娘のことを考えながら読んだ。この暮れから正月には残りの本を読む予定である。
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