mixiユーザー(id:24322169)

2021年04月06日11:23

49 view

book『現代思想 4月号』(特集・教育の分岐点)

毎年4月出る雑誌「現代思想」の教育特集である『現代思想 4月号』(特集・教育の分岐点)が出た。私はいつも楽しみに待っている本だ。いつものようにまず読んだのが、元中学教員で現在は大学教員の赤田圭亮さんの「コロナ禍の学校から「GIGAスクール構想」を考える」と小学校教員の岡崎勝さんの「「先生、ぼく、教科書を忘れたので、隣の子と一緒に見てもいいですか?」「いいわよ、でも二メートル離れて、マスクして、教科書にシュッシュ(消毒)してからね」だ。赤田さんは、昨年春の新コロナ・ウィルス蔓延による全国一斉休校宣言下以降の学校の構造的な変化から分析を始め、その変化に乗っかって、子ども全員に1台のタブレット端末を配布し、個別学習の深化を喧伝する「GIGAスクール」構想の実施が何を引き起こすか、大学でオン・ライン授業一色となった現状と赤田さんの授業のなかでの学生の様子(とくにいじめ体験をカム・アウトした学生との討論が非常に興味深い。)を展開する。岡崎さんは、コロナ禍の学校のこの1年間の大きな変化を詳細に描写する。まさに学校病理現象学といえる展開で私は心が大きく揺らいだ。軟禁状態の子どもたちの様子、親たちの困惑、教員のたちのストレス昂進と過剰労働の増加と凄まじい。岡崎さんの結論部分を引く。「「学校の新しい生活様式」は「新たな国民」をたたき上げる機能を果たした。押しつけるのではなく、選択できない選択肢を子どもの前に提示しながら、「そうせざるをを得ない情況」に子どもたちと共に保護者や教職員を追い込んでいる。」「だが、私は一人の教員として(略)、誠実に子どもと向き合い、付き合いを続けるしかないと考えている。(略)」その他にも興味深い文章が続くので、サイトのURLを上げておく。
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3551
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する