最新技術の『TENET』を見た翌日、最古の映画館でいにしえの映画を見る幸せ。
ということで、県下最古の映画館で市川雷蔵祭の2本を見て来ました。
●『潮来出島 美男剣法』(1954(昭和29)年大映)白黒スタンダード
敵討ちのために江戸にやってきた若き剣士(雷蔵)が、彼を想うお雪(嵯峨三智子)や剣豪・平手造酒(黒川弥太郎)と出会い、敵討ちについて思い悩んでいくという物語。
雷蔵の単独初主演映画です。
しかし雷蔵の主人公よりも、彼の師匠的な位置にいる平手造酒が100%生かされる脚本になっており、実際目立っているのは平手造酒の方です。
平手造酒といえば『座頭市物語』で演じていた天知茂のインパクトが強いですが、丹波哲郎や辰巳柳太郎も演じている人物(自分はそちらは未見)。黒川弥太郎演じる平手造酒も、クライマックスの大立ち回りでは血を吐きながらの大熱演で迫力がありました。
★★★。
●『剣鬼』(1965(昭和40)年大映)シネマスコープ・サイズ
数奇な星のもとに生まれ、人びとに虐げられてきた青年(雷蔵)が、花造りの才能を買われて城に通うように。さらに、剣術の才能を開花させた青年は、藩の刺客として暗躍するようになる。
市川雷蔵のフィルモグラフィの中では後期に位置する作品で、シリーズ化も検討されたようですが、これ1作に終わったようです。監督は三隈研次。
悪魔のように、雷蔵の剣の腕を暗殺へと利用していく佐藤慶がぴったりの役。
雷蔵に剣の極意を伝える初老の剣豪が内田朝雄で、この人の悪役でない役を見たのは初めてかも。
ラスト、一面の花畑での殺陣のシーンが切なく、非業です。★★★。
明日も、この映画館での雷蔵祭を見に行く予定です。
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