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2020年02月02日08:03

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book『建国神話の社会史/史実と虚偽の境界』(古川隆久)

古川隆久著『建国神話の社会史/史実と虚偽の境界』(中公選書)を読んだ。この本はたまたま近所の本屋で手に取り、面白そうなので買った。「古事記」「日本書紀」に書かれた神話が、戦時下の社会と教育のなかで虚構の「建前」がいかにして「史実」として国民にすり込まれ、強制されていったかを豊富な資料をもとに明らかにしていて、非常に興味深かった。この本は、「神話が史実となるまで」の社会史を追い、学校の外で学校のなかで「神話」が「事実」化する過程を浮き彫りにする。また建国祭と万国博覧会、「紀元二千六百年」と「建国神話」との結びつき、満州事変からの中国への侵略と「神話」が力を持つ過程などが展開される。現在の日本社会も道徳教育が教科になり、社会的にも民族主義と排外主義が強り、戦前と同様の動きがあるので、『建国神話の社会史』は重要なのテーマだと思った。
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