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2019年02月12日16:20

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book『硫黄島/国策に翻弄された130年』(石原俊)

石原俊著『硫黄島/国策に翻弄された130年』(文春新書)を読んだ。国策に翻弄されてきた硫黄島民の歴史をアジア太平洋近現代史に位置づけて描き出した大変興味深い本だった。「本書の目的は第一に、硫黄島をめぐるイメージを、長らく日本社会で支配的だった「地上戦」言説一辺倒から解放することにあった。具体的には、硫黄列島の近現代社会史を島民の歴史経験を中心として記述しつつ、地上戦に至るまでの硫黄列島のあゆみ、地上戦の実態、そして地上戦後の硫黄列島をめぐる状況を、それぞれ再定位していく作業であった。この作業は必然的に、硫黄列島をめぐる戦争経験像の書き直しをともなう。日米本土から動員された将兵の動向を中心に編成されてきた戦史の記述に、地上戦に動員された島民の経験や、強制疎開させられた島民の経験を書き加えることになるからだ。」(「終章」)映画好きの私には、第3章「地上戦と島民たち」中の「イーストウッドが見据えたものと排除したもの」は「目から鱗が落ちる」論点だった。
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