みつ子(のん)は31歳の独身会社員。おひとりさま生活を満喫中で、「ひとり焼肉」にも出かける。彼女の脳内には「A」が住み着いていて、みつ子はしょっちゅう「A」と会話して、自分の生活を自問自答。「A」は「ANSER」の「A」、らしいのだが、はたから見れ
ヨーロッパの、とある国・バンドリカ(ドイツがモデル?)。雪崩が起きて国際列車が不通となり、乗客たちは近くのホテルに宿泊せざるを得なくなるが、そういう事情だもんだからホテルは大混雑。イギリス人男性二人連れのカルティゴットとチャータースは、なん
海外勤務から数年ぶりに韓国に戻ってきたジョンイル(ソル・ギョング)。自宅に戻ってきたものの、居るはずの妻・スンナム(チョン・ドヨン)はドアを開けてくれない。妹夫婦の家に取り敢えず身を落ち着けたジョンイルは、娘・イェソル(キム・ボミン)の通う
猫をテーマに、すべての猫好きに送る、4つの物語。「サランヘヨ」は、日本語だと「愛してる」ですね。ナレ(キム・ソヒ)はふられてしまい、彼氏はふたりで飼っていた猫の「サラン」を置いて出て行ってしまった。失恋の痛みからなかなか立ち直れないナレだっ
テッキ(ヤン・イクチュン)は、済州島に住む「詩人」。とはいえ、詩を書いて食べていけるだけの収入はなく、妻ガンスン(チョン・ヘジン)の働きで暮らしている。同人サークルの合評会で、自作の詩を発表したら、「美しいものを美しいというだけで、人生の悲
韓国文学に関する、オンライン開催でのイベントに参加しました。韓国の女性作家ハン・ガン氏の翻訳をされた4人(斎藤真理子さん、きむ・ふなさん、古川綾子さん、井手俊作さん)のオンライン配信によるトークイベントの記録です。当日聞いたお話のメモを元に
ヘヨン(チャン・リウ)は5人きょうだいの長女。一人息子ドンミンは、問題行動が多くて落ち着きがなく、小学校の担任は彼の悪ふざけの様子をスマホで撮って、送りつけてくる始末。次女のグモク(イ・ソンヒ)は、お金だけが信じられるというタイプ。三女のグ
「ユニへ」は、韓国では釜山国際映画祭でオープニング上映され、昨年11月に、韓国で一般公開されている。(以下、ネタバレありです)。韓国に住むユニ(キム・ヒエ)のもとに、日本から届いた手紙。『あなたが夢に出てきました。20年以上会っていないけれ
晩秋に開催される、大阪韓国領事館・文化院主催の「大阪韓国映画祭」。例によってコロナ禍のため、今年は韓国からの俳優さんのゲストは無かった。今回、3本見たのだが、それでも力作ぞろいだった。まず、タイトルからして何か不穏な「私を救わないでください
柳美里さんの「JR上野駅公園口」が、全米図書賞翻訳部門にノミネートされている、と知ったのは夏ごろだったろうか。この小説、雑誌掲載時に少し読んだだけで、文庫本が出ているのも気づかなかった。せっかくだから最初から読んでみようと書店で探すが置いてい
バクスター(ジャック・レモン)はニューヨークの保険会社勤務。定時過ぎても残業することが多い。そして残業後は外で時間をつぶし・・そんなことをしているのにはわけがある。彼は会社からほど近いアパートに住んでいるのだが、会社の部長4人に、愛人との情
75歳の桃子(田中裕子)は、夫を亡くし独り暮らし。子ども二人も独立して家を出ている。今日もひとり、あしたもひとり。図書館で子供向けの図鑑を借り、病院に通院するだけの退屈な日常。そんな彼女の前に突如現れたのが、彼女の脳内の「寂しさ」を具現化し
1984年に日本中を震撼させた、企業脅迫事件。食品会社の社長が拉致・誘拐されたが、ほどなく解放。しかし犯人グループは、挑発的な「挑戦状」を当の企業やマスコミに送り付け、店頭に青酸入りの菓子を置き、執拗に犯行を続ける。金銭を要求してきたものの
テギル(パク・ジョンミン)は、高校を中退、シングルマザーとして店を切り盛りする母(ヨム・ジョンア)から、高卒認定予備校のお金を渡されるが、それを中古バイクの購入に充ててしまい、挙句の果てに、友だちのサンピル(チョン・ヘイン)と二人乗りして事
(その2から続く)白毫寺は恩田陸さんの小説「まひるの月を追いかけて」に出てくる通り、山門へは長い石段を登らねばならない。足の悪いわたしは石段を見上げて一瞬、躊躇したが、まあゆっくり登っていけば大丈夫だろう。石段の両脇には萩が生い茂り、花が咲
「正倉院展」を見終わったあとは新薬師寺、白毫寺を見行くことにした。というのも恩田陸さんの長編小説「まひるの月を追いかけて」のラスト近くにここが登場し、主人公が異母兄の秘密に迫っていく重要な場面になっているのだ。奈良には幾度となく来ているのに
毎年この時期になると見に行っていた「正倉院展」。しかしコロナ禍で、今年の開催はだいじょうぶだろうか?と夏ごろには危ぶんでもいたが、無事開催。ただし、事前に日時指定のチケット購入が必要で、当日券発売がなし。関西に住まうようになってから、毎年「
1940年、福原(高橋一生)は、神戸で海外貿易の会社を営み、妻の聡子(蒼井優)と大きな洋館で何不自由ない暮らしをしていた。福原は当時はまだ珍しい8ミリカメラで、映画撮影の真似事をするのが趣味。聡子や、甥の文雄(坂東龍汰)に演技させた映像を、
阪急・南千里駅そばにある、吹田市の千里市民センターでの映像祭。「アフガンの地で、医師・中村哲さんが遺したもの」というテーマで、福岡の九州朝日放送(KBC)制作のドキュメンタリー「良心の実弾」が上映されたのち、KBCのディレクター臼井賢一郎氏と中村
ちひろ(芦田愛菜)は赤ん坊の頃、ひどいアトピーで、父(永瀬正敏)と母(原田知世)は、心を痛めていた。ある日、父は同僚(池内万作)が勧めてくれた、ある新興宗教団体が販売する「金星のめぐみ」なる水でちひろの身体を拭いたところ、うそのように快癒。
1982年生まれのキム・ジヨン(チョン・ユミ)は、出産後、育児と仕事の両立を断念して、いまはソウル近郊で育児に専念している。夫のデヒョン(コン・ユ)は優しいし、育児にも協力的だ。娘は可愛いけど、毎日息つく暇もない。ベビーカーを止めて公園でコ
「ヘイトスピーチは作品ではない。私が言ってるのは、作家が責任を持って表わす作品のことだよ。虚構のことだよ。虚構はいろんな人間を描く。その中には差別的な人間もいれば、そうでない人間もいる。だって、それが人間社会じゃない。ありとあらゆる人の苦し
9月はどうしても見たい映画がわりに少なくて、BSで映画を見ることが多かったです。その中から3本。「道」(フェデリコ・フェリーニ監督、1954年)言うまでもないイタリア映画の名作。20代半ば、「道」を見たことがない、というわたしに、ぜひ見るように友
チィファ(ジョウ・シュン)の姉のチィナンが亡くなった。長く心を病んだ末の自殺だった。だが、実家にはチィナン宛ての中学の同窓会の知らせが届く。チィファは、姉の死を知らせるつもりで同窓会会場に出向くが、出席者たちは彼女を姉と勘違いし、チィファは
久しぶりの遠出。といっても、すぐとなりの兵庫県なんだが(;´∀`)。米津玄師の「STRAY SHEEP」をデジタルウォークマンで聴きながら、御堂筋線、JR神戸線、六甲ライナーを乗り継いで向かう。ご存知の方も多いだろうが、「無言館」は、「戦没画学生」たちの
「花と龍」(上)(下)火野葦平(岩波現代文庫)<表紙カバーの内容紹介より>明治の終り、故郷を追われ北九州若松港に流れてきた男と女。二人は最下層の荷役労働者となり、度胸と義侠心で荒くれ男を束ね、波止場の暴力と闘う。男は玉井金五郎、女はマン。男
朝鮮王朝で、現在でも名君、と呼ばれる第4代の世宗(セジョン)大王(ハン・ソッキュ)。その頃使っていた「日時計」は、夜間だと計測が出来ない。1422年、大国の明で使っている「水時計」について調べさせるが、簡単な絵図しか資料がなかった。だが、宮
<新潮社の書籍案内より>南洋の島国ナビダード民主共和国。日本とのパイプを背景に大統領に上りつめ、マシアス・ギリはすべてを掌中に収めたかにみえた。日本からの慰霊団47人を乗せたバスが忽然と消えるまでは……。善良な島民たちの間でとびかう噂、おしゃ
NHK−BSプレミアムにて視聴。もうずいぶんと昔、中学生の頃に「日曜洋画劇場」で見たことがある。1956年、イタリア制作。アンドレア(ピエトロ・ジェルミ)は鉄道員一筋に働いてきた男。歳をとって出来た末っ子・サンドロ(エドアルド・ネヴォラ)を可愛
夫に先立たれ、平穏な老後の暮らしを送っていたジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、2000年5月、突如自宅にやってきたMI5にスパイ容疑で逮捕された。先般死去した外務省事務次官のミッチェル卿の遺品から、ソ連のKGBとの関連が出てきたため、と