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2020年09月30日09:53

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映画「チィファの手紙」

チィファ(ジョウ・シュン)の姉のチィナンが亡くなった。長く心を病んだ末の自殺だった。だが、実家にはチィナン宛ての中学の同窓会の知らせが届く。
チィファは、姉の死を知らせるつもりで同窓会会場に出向くが、出席者たちは彼女を姉と勘違いし、チィファは壇上であいさつまでする羽目に。
チィナンは優等生の美人で、皆の憧れだったのだ。

帰ろうとするチィファを追いかけてきたイン・チャン(チン・ハオ)。
彼は名刺を渡し「小説を読んでくれた?」と尋ねるが、姉のふりをしているチィファにはわからない。チャンは、半ば強引に「Wechat」(中国のメッセージアプリ。LINEのようなもの)を登録させるが、帰宅していたチィファあてに「30年間ずっと思い続けています」というメッセージを送り、それを夫が見てしまったものだからひと騒動。
激怒した夫はスマホを壊してしまった。
それでチィファはもらった名刺の住所の上海へ、チャンに手紙を書く。
夫がとても怒ってしまったと。

チャンは、チィナンのふりをしたチィファが自宅の住所を書いていなかったので、彼女の実家の住所宛てに返信を送ってみた。
しかし実家には、チィナンの遺児・ムームー(ダン・アンシー)と、彼女を気遣って冬休みのあいだ実家にいるイトコで、チィファの娘サーラン(チャン・ツィフォン)がいて、その手紙を読んで、いたずら心もあって、チャンに宛てて手紙を書いてみるのだった・・

これ、1月に見た岩井俊二監督の「ラストレター」の中国版。こちらも監督は岩井俊二。
リメイクかと思いきや、中国での公開は2018年で、実は中国版が先行して作られていたのだ。

で、内容は「ラストレター」と驚くほど、設定もセリフも一緒。
違うのは、青春時代の回想シーンが「ラストレター」は高校、「チィファの手紙」は中学校、「ラストレター」のヒロインの夫の仕事が漫画家で、「チィファの手紙」ではIT技術者、というぐらい。挿入されるエピソードもまったく一緒だと言っていい。
逆にあまりに物語が同一なので、中国版ってどんなふうなお話なんだろう、と思って見に行ったわたしは拍子抜けする感じだった。

あと、日本版は、舞台は夏、中国版は冬なので、そのあたりは画面の印象がちょっと違いますかね。
中国版のヒロイン(日本版では松たか子)は、なんとなく永作博美に似ている女優さん。
日本版は、ヒロインの姉に恋しつづける男が福山雅治だが、わたしは中国版の男優さんのほうが、ちょっとダメ男気味なところがよく出ていてよかったと思う。
何度も書くけど、おっさんが何十年もうじうじと一人の女性を思い続け、それを言っちゃうのは「純愛」と言うより「キモっ!」だよ(;゚Д゚)。

中国版でも日本版同様、チィファが好きな男の子・チャンは姉・チィナンが好きで、チィファンが意を決して告白したのに、チャンからフラれてしまうー。そのシーンがやっぱり一番切なかったかな。

中国版の製作には、中国ならではの事情で、脚本の設定を手直ししないといけない部分もあったらしい。
当初はチィファの娘・サーランに弟がいることになっていたが、一人っ子政策時代なのでおかしい、という指摘があって、チィナンが、子どもをふたり生んで、きちんと届け出を出さずに育てていた、という設定に変えたのだとか。

日本版で撮影された宮城県は岩井監督の故郷、また中国版の撮影地・大連は、岩井氏の母親が生まれた街なのだという。

1月に見に行った「ラストレター」のあらすじと感想
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974486540&owner_id=5348548

(9月15日、梅田ブルク)
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